
エレキギターの二大巨頭、これぞエレキ!なストラト(キャスター)がどんなギターなのか?を初心者にもわかりやすいように徹底解説します♪
併せてストラトが初心者におすすめの理由もお伝えしますので購入迷われている方の手助けになれば嬉しいです♪
この記事のもくじ
ストラトってどんなギター?
誰でも一度は見たことがあるんじゃないかと思います。
数あるエレキギターの中でもとりわけ歴史が古く、初めて登場したのは1950年代とかれこれ半世紀以上にわたって愛され続けているモデルです。
驚くことに、細かい仕様変更こそあれ根本となる部分は50年代当時からずーーーっと変更されていません。
ある種完成されているギターです。
ストラトの大きな特徴として
- 単板ボディ
- シングルコイルピックアップを3つ搭載
- ブリッジはトレモロが搭載
- ネックとボディをネジ止めしたボルトオン方式
- ピックガードに電装系パーツは全て装着されている
といったものが挙げられます。
それぞれを次章から詳しく見ていきましょう♪
本体構成
ストラトを構成する各部分を細かく、画像を交えて解説します♪
ボディ
基本的には単板か2枚の板を貼り合わせて形成されます。
1枚の板から作られているボディを1ピース、2枚の板を貼り合わせて作られているボディを2ピースと呼び、多くても3ピースまでくらいで形成されますね。画像は1ピースボディです。
- ピックアップを納めるスペースが3つ
- コントロール関係を収めるスペースが1つ
- ブリッジを搭載するスペースが1つ
- ジャック用のスペースが1つ
以上の数、穴があけられているのが分かると思います。
それぞれ専用に穴があけられているものですが、ある程度まとめてエグっている場合もあります。
(写真のようなもので、お弁当箱ザグリとも呼ばれます)
本体のコストによってこの辺りの製法は変わってきます。お弁当箱ザグリの場合は電装系パーツの交換時にスペース調整がいらないので楽チンです♪
エレキギターの中でもボディの厚さは薄い部類です。
ギターを弾く時に肘が当たる部分は緩やかに斜めにカットされていて(コンター加工という)取り回しが非常に良い作り。
当然、小ぶりなボディなので軽量なので初心者は勿論女性や子供にもオススメのギターとなっています。
立っても座っても弾きやすいデザインで、ギターを弾くうえで邪魔なものが一切ついていないシンプルな作りです。
改造やメンテナンスも初心者でも手が出しやすいくらいシンプルなので色々学べる1本です♪
ピックアップ
基本的にはシングルコイルピックアップを3基搭載しています。
ピックアップってなんだ!?という方はまずはこちらの記事を読まれると理解が深まります♪
ピックアップって何?
音の特徴としては立ち上がりに優れ、輪郭のはっきりとした音色がします。
全部で3つ搭載されていて、セレクターでどのピックアップをオンにするかを選択します。
基本的には全部で5パターンの選択が可能になっていて
- F(フロント)…ネック側のピックアップ
- F(フロント)+M(ミドル)…ネック側と真ん中のピックアップ
- M(ミドル)…真ん中のピックアップ
- M(ミドル)+R(リア)…真ん中とブリッジ側のピックアップ
- R(リア)…ブリッジ側のピックアップ
このような組み合わせが一般的です。
画像にもありますが、2つ選択している場合はハーフトーンと呼ばれるサウンドになり、単独のピックアップを選択しているときには得られない微妙なニュアンスを加えたトーンが出せるようになっています。
シングルコイルのストラトでしか出せないトーンです。
これぞストラト!という素晴らしいトーンが全編に渡って聴くことができる時代を超えて愛され続ける名曲ですね♪
(フレーズ自体は割と簡単だったりします)
シングルコイルのピックアップはその特性上、クリーントーンや軽く歪ませたクランチサウンドなどには非常に相性が良いです。
しかし、深すぎる歪みや歪みレベルを上げすぎるとすぐにノイズが乗っかってきてしまうというデメリットもあります。
これは構造上仕方のないことですが、ノイズ対策を施したシングルコイルのリプレイスメント(交換用)ピックアップに交換したり、コントロールスペース内にノイズ対策用の導電塗料を塗ったりして対策をすることが可能です。
ピックアップ交換は結構な大手術…というかそこそこのコストもかかってしまいますが、手軽な裏技で塗料はアルミホイルを貼り付けるという方法でも対策が可能です♪
こういう感じですね。
ピックガード裏にも同様にアルミ箔を貼り付けるのも効果があります。
ストラトで激しい歪みが欲しい人は試してみる価値アリですよ♪
コントロール
基本的なストラトのコントロール関係は上記画像のようなものです。
それぞれのツマミとセレクターレバーの解説をします。
- PUセレクタースイッチ…PUの選択をするレバー、レバーの位置でどのPUか選択する
- マスターボリューム…すべてのPUの音量を調整するツマミ
- フロントトーン…ネック側のPUの音色を調整するツマミ
- センタートーン…真ん中のPUの音色を調整するツマミ
トーンのツマミで音色の調整と書きましたが、音色というかどのくらい音を明るく(ハイを強くする)かを調整するツマミです。
一般的なストラトの場合はネック側のリアPUはトーンのツマミがありません。調整も出来ません。
ただ、リアに近づけば近づくほど高音域は強めになる傾向にありますのでフロント/センターと大差なく扱えるようになっています。
特殊な改造を施してあるモデルになるとコイルタップという機能がついていたり、リアPUのトーンも調整出来るようになっているようなモデルも存在します。
(初心者でそういう改造も出来なくはないですが電装系の知識がないと厳しい…)
ピックガード
これらのパーツが全て付いている部分がピックガードです。
一般的には樹脂製の物で、ピックアップを含めた電装系のパーツは全てこのピックガードに取り付けられています。
見た目的な意味合いも大きいパーツですが、それ以上にここがないとコンデンサー等が全てむき出しになってしまうので保護的な役割も備えた重要なパーツになっています。
ピックガードがないとこんな感じです。無防備ですねw
ちなみにピックガードは樹脂製だけでなく金属製のものやミラー素材など、ビジュアル的にも素材的にも様々なバリエーションが存在します。
音が劇的に変わる部分ではないので好みで変えてみると良いと思います♪
ブリッジ
弦を固定する部分ですね。
一般的なストラトにはシンクロナイズドトレモロというパーツが搭載されています。
1本細い金属の棒みたいなものが出ているんですが、これを上下させることで音を緩やかに揺らすことができ軽いビブラート的な効果を得ることが出来ます。
本体を貫通した穴をあけないといけないのでレスポールなどには採用されておらず、ストラト独自の機構と言えます。
あまり激しくアームを上下させるとチューニングが狂う原因になりますので注意ですw
ブリッジ部分は基本的には金属のブロックで形成されていて、音質変化を求める方はダイキャスト製やチタン製など様々なリプレイスメントパーツから好みの物を選択したりします。
一般的にブリッジ部分は重ければ重いほど音のサステイン(伸び)が良くなると言われています。
ただ、まぁこれは微妙な違いでしかないので最初のうちはブリッジのブロックは何の金属で出来ているんだ!?とか気にしなくて全然いいです。
他に弄る箇所はいっぱいありますし、金属の素材にまでこだわりだすともう立派な中毒ですw
ネック
ギターの弾きやすさはここで決まると言っても過言ではないくらい大事な部分です。
細い(薄い)ほど手の小さな人でも弾きやすく、太く(厚く)なるほど抑えるのが大変です。
といっても慣れの問題でもありますので神経質になる必要もないでしょう。
一般的なストラトのネックは極端に細くも太くもない中間くらいの太さです。どちらかというと握りやすいネックに分類されます。
素材はメイプル(ハードメイプル)という素材がストラトでは一般的に使われます。
白っぽい色がメイプル材、茶色っぽい色のものはローズウッドという材が使われます。
ネックそのものは素材が大体メイプルですが、指で押さえる部分(指板)はローズウッドを使う場合も多いです。
メイプルだとアタックがはっきりした音色、ローズだと少しまろやかなトーンになる傾向があります。
ねじれや反りに強く、アタックの強いトーンが特徴のギターで使われることが多い木材です。
本体の真ん中にはトラスロッドと呼ばれる鉄の棒が端から端まで入っています。下の画像はネックを真ん中で切断した図です。
ネック端から調整部分が出ているんですが、六角レンチかドライバーでくるくる回すことでネックの反りやねじれを直す役割があります。
ギターはそのほとんどが木で出来ている以上、どうしてもねじれが生じたり反ったりします。
こまめにメンテナンスが必要な部分です。
特にギターを弾く時間は常に抑えている部分がネックですので自分が弾きやすいように保ってあげるのはギタリストの義務でもありますね♪
ネックとボディ
ボディとネックはそれぞれネジとプレートで固定されます。
最もエレキギターで多く採用されている方法でボルトオン方式といいます。
他にセットネック、スルーネックといった手法がありますがストラトは99%がボルトオンです。
サステイン(音の伸び)はセットネックやスルーネックには劣りますがアタック感や音の立ち上がりはボルトオン方式のギターが最も優れています
ネジで止めているだけなのでメンテナンスもしやすく定期的にメンテナンスしてあげることで長い期間最良のコンディションを保てるというメリットもあります。
また、何らかの間違いでネックが折れてしまった場合などでも新しいネックがあれば容易に交換することが可能というメリットも備えています。
セットネックやスルーネックの場合は取り外すということ自体が物理的に不可能なので嬉しいポイントですね♪
ボルトオンのバリエーション
ネックとボディをネジで止めるだけ、とは言ってもその止め方にも様々なパターンがあります。こちらは最も一般的なボルトオン方式。
特に接合部に特殊な加工は施さず、プレートを挟んでネジで止めているだけの方式です。
金属パーツが加わることでアタック感などがプラスされますが、ハイポジションに目立った加工はないため最高音域になると若干の押さえ辛さがあります。
そういったハイポジションでの弾きづらさを改善しているのがこういったカット手法です。
プレートを排除し、ボディ側を手の内側に沿ってカーブさせた状態で形を整えています。
この差は実際に持ってみると分かりますが、弾きやすさが段違いです!!滑らかなフィンガリングが可能な処理ですが通常の加工に比べ手間がかかるので価格もその分上がってしまうのが難点です。
微妙な違いですがこういったカットの手法もあります。
ネックとの接合部だけでなくその周辺も含めなだらかにカットすることで手が大きなギタリストにも馴染みがよく、弾きやすさを向上させています。
手作業で手間のかかるのは同じなのでコストもかかってしまうのは同じですね。
1つのバリエーションというだけですが、このようにプレートを装着しつつ弾きやすい処理を施しているものもありますが、いずれにしても高価なモデルにしか採用されていないことが多く、初心者の方はそこまで気にする必要はありません。
一先ず、ネックエンドの処理次第で弾きやすさは全く変わってくるということだけでも感覚的にわかっていれば大丈夫です♪
ストラトはどんな音がするの?
ピックアップの項目でも書いていますが、立ち上がりの良い輪郭がハッキリした音色が特徴的です。
粘っこいサウンドよりはカラッとした乾いたサウンドが心地よいです。
鈴鳴りのような透明感のあるトーンのことをベルトーンなんていったりしますが、こちらのレビュー動画でも十分に堪能できます。
クリーントーンは勿論ですが、少し歪ませたサウンドも非常に心地よく耳障りにならないサウンドは本当素晴らしい。
キレが良いのでチャッ!チャッ!と小気味よく刻むフレーズには凄く良く合います。
どんな曲やジャンルにおすすめ?
ジャンル関係ないんじゃない!?ってくらい色んなジャンルのギタリストに使われています。
多分ですけど使われてないジャンルなんて無いんじゃないか!?ってレベルです。いやほんとに。こんな渋いおじいさんギタリストから
こんなロックギタリストまで!
若干特殊()ですけどヘビーメタルもイケますw
その多様性から、各ジャンルに特化したサウンドになるよう改良・改善を繰り返しており、ギタリストも自分好みのサウンドキャラクターにすべくパーツを変えたりなんだりで色んな工夫をし続けています。
万能なギターなのでありとあらゆるジャンルに適していると言えます。
事実ギターをまだ購入したことがない人でも
ストラトという名前は知らなくても見たことはありますよね?
エレキギターといえば!でストラトの形が出てきますよね?
それだけ色んなところで使われているからこそ、一般のギターが分からない人でも分かるくらいの認知度を得ています。
これからギターを購入しようと思っている方でも、まだどんなジャンルの音楽をやるのか決まっていなくても安心してストラトを手にとっていただければと思います♪
ストラトを愛用しているギタリスト
ストラトを好んで使用しているギタリストを紹介します!
多様なジャンルから集めたので知っている人もいるかもしれませんね♪
ERIC CLAPTON(エリック・クラプトン)
このページの一番最初の動画でギターを弾いているギタリストです。
「いとしのレイラ」のイントロ・リフはあまりに有名ですね♪
ブルージーで枯れたトーンは世代を超えて今もなお愛され続けています。
個人的にはストラトの一番気持ちのいい部分を出しているギタリストだと思います。
小ネタですが、クラプトンが実際に使った黒のストラトが2004年にオークションで当時の日本円にして約1億500万という超高価な値がついたことがあります。
しかもその前にもサンバーストのストラトは6000万円の値段がついたり、もうむちゃくちゃですねw
それだけ価値のあるギターがすべてストラトです。特異な例ですがw
JIMI HENDRIX(ジミ・ヘンドリックス)
ブルースロックやサイケデリックロックの神様みたいな人です。
左利き用のストラトを敢えて右利き用として使い、足元にはファズ、アンプはマーシャルのチューブアンプ…
ストラトの荒々しいサウンドイメージはこの人から始まったといっても過言ではないでしょう。
悲鳴のようなギターの音だけでなく、ライブでギターを燃やしたり歯でギターを弾いたりと色んな意味で有名なギタリスト。
Yngwie Malmsteen(イングヴェイ・マルムスティーン)
愛称は光速の豚野郎インギーです。
※画像はネタではなく本人です。
ストラトで一番ハードな人だと思います。プレイ的にも、見た目的にも。
ハードロックやメタルといったジャンルで知らない人はいないレベルの超凄腕のギタリストですがなんといっても見た目のインパクトが絶大ですよねw
プレイは本当に凄いんです。真似できないくらい。何をやっているのか分からないくらい…
初心者におすすめの理由
ここまでストラトキャスターとは?というのをだーーーっと書いてきました。
どうでしょう?どういったギターなのか、なんとなくでも分かってもらえると嬉しいです。
繰り返しになりますが、初心者におすすめの理由としては
- 取り回しに優れ、扱いやすい
- メンテナンス性がよく、大事にすれば長く使える
- なんだかんだ使われないジャンルがないくらい多様性がある
- 自分好みに仕様をいじりやすい
といったことから、ストラトは初心者にこそオススメだと私は思います。
構造そのものがシンプルであるがゆえに、高級なストラトも安価な初心者向けのストラトも操作感なんかはほぼ同じです。
(勿論高いギターはそれなりに操作性とかはより良いものではありますが)
また、他のギターに比べ圧倒的にカラーバリエーションが豊富なので見た目的にも自分好みの1本が見つかりやすいようにも思います。
最初は見た目から入るケースが大半だと思いますので、これって結構重要なポイントですよね♪
まとめ
いかがだったでしょうか?
エレキギターの定番、ストラトキャスターについて徹底的に紹介してみました。
どういうギターなのか、どんな音が出るのか、どういう特徴があるのか…
さわりだけでも理解してもらえると嬉しいです♪
これからギターを始めようとしている人でも、どういうものなのかわかれば幸いですし最初の1本をストラトにしよう!と思って頂けるともっと嬉しいですw
とにかくたくさんのメーカーからストラトは発売されています。
オーソドックスなストラト、ちょっと変り種のストラト…
迷ったらこのページを見返してみてください。
部分ごとに詳しく書いていますので、これはどうなんだろう?というあなたの疑問を減らすことが出来れば幸いです♪
ネット上で購入可能なストラトも数が多くありますが、私のオススメもこのHPでいくつか紹介していますのでよければ参考にしてみてくださいね♪