
エレキギターを鳴らす為に必ず付いているパーツ、それがピックアップです。
ギター本体についてる白とか黒の長方形のアレです。
何のために付いていて、どういう意味があるのか?種類は?何がどう違うの?
初心者の方でもばっちり理解出来るように解説していきます♪
この記事のもくじ
そもそも、ピックアップって何?
エレキギターはアンプに繋がないと音が出ません。
一応、弦の音はするんですが生音ではどうにも味気ないです。
ギターはフレットを抑えて、ピックで弦を弾くことで弦が揺れます。
その弦振動を拾うのがピックアップで、いわばマイク(集音)の役割を持っています。
ピックアップ(以下PU)で拾った弦振動を電気信号に変換し、アウトプットジャックからケーブル(シールド)を介してエフェクターやアンプに送ります。
エフェクターやアンプで音の大きさや音域を調整し、スピーカーからエレキギターの音が出てきます。
これがエレキギターのメカニズムです。
最初に弦振動を拾うのがPUなので、これがないとエレキギターがエレキギターとして機能しません。
超大事な部分です。
人間でいうところの心臓と一緒ですね。
必ずギター本体の真ん中あたりについていて、弦の真下にあります。
(効率的に弦振動を拾う為です)
大小様々な形で、ギターのタイプによって搭載されるPUのタイプも変わってきます。
次の章からはそれぞれのPUの特徴を説明しますね♪
- エレキギターを鳴らす為に絶対に必要なもの
- 弦振動を拾い、信号に変換するマイク機能
- ギターのタイプによって使われるPUは様々
ピックアップの色々な種類
前項目で少し触れましたが、ピックアップは搭載するギターによって様々な種類があります。
外見的なものだけでなく、出てくる音の特徴にもそれは色濃く表れます。
細かく分ければどこまでも細かくなりますが、絶対に覚えておきたい2タイプをメインに解説します。
実際の写真を交えながら詳しく見ていきましょう♪
シングルコイルピックアップ
主にストラトキャスターやテレキャスターといったフェンダーのギターに使われます。
こんな感じ。見たことありますよね。
カラーは写真では黒ですが、これ以外に白や銀、珍しい者では金色のものなんかもあったりします。
ちなみに色では音は変わりません。ただの見てくれの問題ですw
PUの為のスペースも小さく済みますので搭載するときにギター本体をそこまでほじくる必要もなく、割と簡素なものですね。
音の特徴ですが、1弦から6弦までを一緒に鳴らした時にそれぞれの音の分離がよくはっきりしたトーンです。
また単音で弾いた場合でも輪郭がはっきりしていてよく「立ち上がりがいい」なんて表現をされたりします。
この辺は主観ですけどねwでも私も音の立ちは良いと思います。
ストラトなどの軽いギターに搭載するとカラッとして歯切れの良いサウンドになりますのでカッティング奏法に非常によく合うPUです。
この動画の冒頭なんかはまさにソレ!ド定番のカッティング演奏です♪
クリーントーン~軽い歪み(クランチ/オーバードライブ)くらいまでの音を綺麗に出力してくれます。
逆に、激しく歪ませた重たい感じの刻みはハムバッカーには劣ります。
構造上ノイズも乗りやすいのであまり歪ませすぎない方がいいです。
ハムバッキング(ハムバッカー)ピックアップ
主にレスポール、SG等のギブソン系のギターに大体搭載されています。
レスポールとかで見たことありますよね。
こちらもカラーバリエーションがいくつかあり、写真のようにのっぺりした銀色のカバーがついているもの、金色、黒、白などのバリエーションがあります。
カバーがついたタイプをカバードタイプと呼ぶこともあります。
単純にシングルコイルの倍のサイズがありますので、必然的にボディを削る部分もそれだけ多くなります。
ゴツイですよねw
音の特徴ですが、単音で弾いても音圧を稼ぐことが出来るので1音1音が太くなります。
そしてシングルコイルに比べるとノイズに強いので思いっきり歪ませても音痩せすることなく、且つパワフルな音を出すことが出来ます。
ピックアップの配置してある位置にもよりますが、フロント(ネック側)だと音は非常に滑らかな丸みを帯びていてリア(ブリッジ側)だと重厚ながら切れ味の鋭さも兼ね備えたトーンになります。
ハードロックやメタル等の激しい音楽にもガッツリはまっているのでオーバードライブやディストーションなどのハイゲインな音にしてもノイズを抑えて迫力のある音を出すことが可能です♪
なぜノイズが出ないか?
詳しくは後述しますが、PUの等間隔でついてる小さい〇は磁石でその下にはエナメル線のコイルが何重にもまかれています。
電気信号なのでそこでノイズが発生してしまうんですが、ハムバッカーは前述の通りシングルコイルの数が2倍です。
1と2の位相を逆に配置していることで1と2それぞれが発生させたノイズを相殺することでノイズを軽減しているというカラクリになってるんですね。
完全にノイズがなくなるわけではないですが、シングルコイルに比べると圧倒的にノイズは少ないです。
ザクザクっと刻むような演奏にぴったりですね。
ちょっと極端な例かもしれませんがwこの手の音楽にはガッツリ!ハマります。
シングルコイルほど音の立ち上がりが優れているわけではないので、カッティングに向いてないわけではないんですがシングルコイルほどはっきりした音にするにはアンプ等で相当音を作りこまないといけない点は注意です。
パッシブとアクティブについて
サイズ的な部分ではシングルコイルとハムバッカーと2種類を解説しました。
ここからはピックアップの駆動系統についてです。
ちょっと難しい言い回しでしたが、要はピックアップが音を電気信号に変えるときに何の力を使っているか?それによって音がどう違うのか?ということを書きます。
興味がない人はスルーしても大丈夫ですw
パッシブタイプのピックアップ
写真は代表的なパッシブタイプのピックアップです。
弦振動をそのままハイインピーダンス(高出力)で電気信号へ変換しますので特に動力も必要としません。
古くからあるアナログなタイプと言えますね。
アナログなりの温かみのあるサウンドが特徴で、環境にやや左右されるピックアップと言えます。
世に出ているギターの殆どがパッシブタイプのピックアップが搭載されています。
代表的なメーカーはいくつもありますが、写真の「セイモアダンカン」はリプレイスメント(交換用)ピックアップの専門的なメーカーとして世界中のギターに搭載されています。
マニアックな人なら見たことあるかもしれないですね♪
アクティブタイプのピックアップ
一方のアクティブタイプのピックアップですが、
ハイインピーダンスだとノイズが出やすいので敢えてローインピーダンス(低出力)の信号に変換することでノイズそのものを減らす作りになっています。
ただ、出力自体を変換するためにそれなりの動力/装置が必要になります。
これをプリアンプといいます。
こんな感じで普通のものより色々パーツがついてます。
で、このプリアンプはバッテリーがないと動作しません。
ギターのプリアンプには9V電池を使用します。一般家庭でも稀に使うことあるかと思います(多分w)
こいつをギター本体に収めるバッテリーボックスが必要になってくるのでそのスペースを確保しないといけません。
写真みたいに元々あるスペースにうまくバッテリーが収まればいいですが、なかった場合…
はい、ボディ裏をえぐる大改造が必要ですw
ストラトとかで元々ボディをざっくりとえぐってるタイプなら工夫次第ですが、レスポール系のコントロールパネル分くらいしか開いてないギターだとどうしても大改造になりますね。
費用もそこそこ掛かってしまいます。
その代わり、ノイズとは無縁です。
環境にも左右されにくいので常に安定した音質が確保でき、エフェクターのかかりも良いです。
化粧乗りが良い、みたいなイメージで捉えるといいかと思いますw
驚くほどにノイズは消えますので、限界を超えて歪ませたいギタリストからは絶大な支持を受けていますね。
注意点としては大改造が必要なこと以外に電池がないとそもそも音が出ないというのもありますのでご注意くださいw
アクティブタイプのピックアップも各社から発売されていますが、最も有名なのは写真にもありますがEMG社のモデルになるでしょう。
メタル系のバンドやギタリストから非常に支持の強い有名メーカーモデルです。
ピックアップ自体の値段もそこそこ高価なものが多いので初心者のうちはあまり気にしなくてもいいかもしれません。
どのピックアップを選べばいいの?
こんなことを言っては元も子もないんですが、最初は付いているピックアップで問題ありません。
好みが分かってきてから選択すればいいと思います。
その場合、ギターを新しく買うのではなく今持っているギターのPUを交換する…となった場合ですが注意することがいくつかあります。
この記事をすべて読んでいる方なら察しは付いているかもしれませんが…
- シングル⇒ハムの場合、ボディをえぐる必要がある
- パッシブ⇒アクティブの場合、ボディをえぐる必要がある
- ハム⇒シングルの場合、PU1つ分謎のスペースが出来る
これですw
まず1についてですが、絶対にサイズが合いません。
なので潔くボディを削るか、シングルコイルのサイズでハムバッカーのピックアップが数こそ少ないですが発売されていますのでそういった物を選ぶ必要があります。こういうタイプのことですね。
次に2です。
前述の通り、バッテリーを納めるスペースが必要です。
ストラトに搭載するのであれば元々大き目のスペースがえぐられているので大丈夫なことが多いですが、レスポールなどはマジで必要最小限しか穴が開いてません。
えぐるしかありません…代替え案もないですw
最後に3ですが、これはまぁ1の逆なので見た目がやや不自然になることさえ我慢すれば大掛かりな工事は不要です。
木をえぐるほどの加工は要らないので、まだ手は出しやすいかもしれませんね♪
ピックアップからギターを選ぶということはあまりないとは思いますが、それぞれのピックアップのおおまかな特徴を覚えておけば購入前に迷ったときに便利だと思います。
前章までを見て自分の好みにあったピックアップを見つけてくださいね♪
まとめ
ちょっとマニアックな内容になってしまいましたw
が、知ってて絶対に損はありません!
最初のうちは気にしなくて全然問題ありませんが、後々音に不満が出てきたときに思い出してみてください♪
購入前にこのページを読まれている方は、上にいくつかある動画でそれぞれの音を聴き比べてみるのもいいでしょう。
どんなジャンルをしたい、とかもまだよくわからない…という人も多いと思いますが、ピックアップの種類で出来ることが完全に変わるとかはないので安心してください。
どちらがより適しているか?というレベルの話です。
各社から発売されているピックアップはそれぞれ狙った音響特性があり、カタログスペックだけではわかりづらい部分でもありますのでまずは色々なタイプの音を知るのが良いんじゃないかと私は思います。
パッシブ/アクティブの違いはかなり微妙なニュアンスの差ですので、まずはストラトとレスポールの違い!くらい大きく見て聞き分け出来るようになっていけば良いと思いますよ♪
ピックアップがどういうものか、参考になれば幸いです♪