
それまでそんなに超人気機種でもなかったのに、某アニメ(け○おん!)の影響で爆売れしたギターです。
エントリーモデル的な扱いのギターですが、サーキット系は若干複雑…なギターについて初心者でもわかりやすく解説していきます!
あずにゃんモデルを詳しく解説だと思ってもらって結構です!()
この記事のもくじ
ムスタングってどんなギター?
ストラトなどで有名なFender社が初心者向けとして発売をはじめたエレキギターです。
初登場は1964年と、何気に古いモデルだったりしますが一度は不人気すぎて生産終了しているという過去もあります。
その後、86年に本国ではなく日本で生産を再開。2000年に入ってからはご存知某アニメの影響で人気に一気に火がつきました。
(ギター本体っていうよりそのアニメ人気といったほうが正しいかもしれませんが)
初心者向けモデルということで色んな部分に工夫が施されていて、手が小さい人でも弾きやすいようショートスケールが採用されていたり、ピックアップはシングルコイルを2基搭載など扱いやすさは折り紙つきです。
本体構成
では実際にムスタングの各部を紹介していきます。
基本的にはシンプルな構造になっているんですが、スイッチがちょっと複雑です…
Fender系ギター特有の、ボディ表面を大きく覆うピックガードが採用されておりコントロール関係はそこに集約されています。
ボディ
Fender系のギターらしく、単板のボディが一般的です。
ボディサイズもストラトなどに比べると一回りほど小ぶりなので体系的に小さい人や子供でも弾きやすい親切設計です。
サイズのこともありボディ重量は軽めで、立って弾くときでも負担は少なくなっていますね。
カラーリングは木目を前面に押し出しているカラーはオリジナルでは少なく、派手なカラーリングが一般的。
某アニメ…隠す必要もないですがけいおん!では鮮やかな赤色のムスタングが使われていました。
キャンディアップルレッドと呼ばれるカラー(カタログ上はCARと略されることも多い)がムスタングの定番カラーとなっています。
赤以外にも白や水色などのものが多く、女子が抱えても可愛いギターですね♪
ピックアップ
ピックアップはシングルコイルピックアップを2基搭載しています。
フロントとリアに1基ずつ搭載されていてセンターピックアップは存在しません。
後述するスイッチで切り替えを行い、それぞれを独立して鳴らすか/まとめて鳴らすかを選択可能。
若干の慣れが必要なコントロール系統になっています。
ピックアップについて上記で分からないことがあれば以下の記事を併せて読むと理解しやすいかと思います♪
ピックアップって何?
コントロールサーキット
ここが本機最大のキモの部分で、若干複雑に思える部分です。
ツマミは両ピックアップ共通になっていて、どのピックアップをどのパターンで鳴らすかを問わずマスターのボリュームとトーンのみとなっていて非常にシンプル。ここまでは。
問題は6弦側についているスライダースイッチで、これでピックアップの切り替えを行います。
出来るのは全部で9パターン、ネック側についているスイッチを1、ブリッジ側を2とします。
それぞれネック側から左・中・右の位置にスライドが可能。
一覧表にするとこんな感じ。
- 1と2両方が左…フロント+リア(通常位相)
- 1が中、2が左…リアのみ
- 1が右、2が左…フロント+リア(逆位相)
- 1が左、2が中…フロントのみ
- 1と2両方が中…無効(音が出ない)
- 1が右、2が中…フロントのみ
- 1が左、2が右…フロント+リア(逆位相)
- 1が中、2が右…リアのみ
- 1と2両方が右…フロント+リア(通常位相)
要するにどっちのスイッチかでどのピックアップを鳴らすかが決まり、どの位置で止めるかで鳴らし方(位相)が決まります。
鳴れちゃえば問題ないんですが最初は戸惑う部分かもしれませんね。
通常位相?逆位相?
前項目で少し出てきました、位相について。
簡単に言うとどの向きで音を拾って出力しているのかということです。
2つのスイッチがどちらも同じ方向を向いている場合、通常の位相となります。
これは通常のギターと同じで普通に両方のピックアップが順当な方向を向いている場合。
2つのスイッチが違う方向を向いている場合、逆位相となります。
両方のピックアップが鳴ってはいますがそれぞれのピックアップが出力した音を相互に相殺しあうことで独特のサウンドとなります。
通常の位相の音をフェイズインサウンド、逆位相の音をフェイズアウトサウンドと呼びます。
フェイズインサウンドはストラトである普通のハーフトーンですが、フェイズアウトサウンドは中低音がカットされた軽い音になります。
かなり好みの分かれる音で、1曲全編を通して使う場合は少ないですね。アクセントというか局所的というか…インパクトはありますが迫力という意味ではやや劣るといえるかもしれません。
まぁ、好みの問題なので…
ブリッジ
オリジナルのムスタングにはダイナミックビブラートというトレモロユニットが搭載されています。
ストラトに搭載されているシンクロナイズドトレモロよりも可変幅が広く、中々派手な掛かり具合をするユニットで好んで使うギタリストも多く存在しています。
一般的にはチューニングが狂いやすい、という声もありますがまぁ当然フロイドローズ系の激しいアームプレイを前提に作られているユニットではないのである程度は仕方の無いことかもしれません。
極端な掛け方をしなければチューニングが狂うということもありませんので塩梅次第、ということですねw
また、トレモロを使わないという人はアームをはずして使うことも可能ですし元からアームユニットを外してあるブリッジが搭載されているモデルも存在します。
ネジで止めてあるだけのパーツなのでリプレイスメントパーツさえ購入すれば自分でも交換することが可能です。
ネック
見た目はFender系の一般的なネックですが、他のギターと比べての大きな特徴がショートスケールの採用です。
ショートスケールっていうのは通常のギターに比べてスケールが短い、という文字通りの意味ですがそもそもスケールって何だよ!?と思われるかもしれません。
スケールというのは弦を張った時の弦の長さ(弦長とも言う)のことで、これが長いか短いか?の違いです。
一般的にはロング・ミディアム・ショートの規格があります。
(近年はエクストラロングやらスーパーロングやら、従来のものより遥かにスケールの長い規格も存在します)
※ちなみにストラトはロングスケール、レスポールはミディアムスケールが採用されています。
それぞれの弦の長さは
- ロング:25.5インチ(645ミリ)
- ミディアム:24.75インチ(625ミリ)
- ショート:24インチ(610ミリ)
となっています。ストラトに比べると3センチ以上は短くなっているということになりますね。大体1フレット分くらいは差が出てきます。
弦の長さが短いとどういうメリットがあるか?
手が小さい人、体が小さい人でも弾きやすいという大きなメリットが生まれます。
ムスタングが手の小さい人や体の小さい人におすすめなのはこのショートスケールの採用という部分が大きいです。
手の大きさというハンデも3センチ違えばカバーできるかと思いますので、自分の手が小さいと悩んでいる方はショートスケールをおすすめします♪
ムスタングはどんな音がするの?
既に触れた内容ですが、フェイズインとフェイズアウトでかなり音の雰囲気が異なります。
フェイズイン(通常位相)は一般的なハーフトーンの音色で、シングルコイル特有の歯切れのよさや浮遊感が味わえる音色です。
フェイズアウト(逆位相)になると中低音がかなり削られてかなり癖のある音になります。
悪く言われているのだと「鼻づまりみたい」なんていわれたりもしてますw
この辺はほんと好みの分かれるところなので実際に自分で一度どんな音がするのか聞いておいたほうがいいでしょうね。
試奏が出来ない環境の方も多いと思いますが、昨今は動画でレビューされているものも多いですから参考にしてみてください。
ちなみに上記はあくまでギター単体での場合ですので音域をカバーするようなフィルター系、補正系のエフェクターをかますことでいくらでも対応は可能ですので最初から気にしすぎる必要もないことは付け加えておきますね♪
初心者におすすめの理由
女性でも弾きやすいと設計されているショートスケールの採用、スイッチ類を除く超シンプルなコントロール周りといった部分は、まだギターを始めてない人や始めたての人に向いていると思います。
何気に使っているギタリストやアーティストも多く、女性の比率は他のギターよりも多いかもしれません。
慣れてきたらフェイズイン/アウトも使い分けていくことで深みも出てきますし、徐々に出来ることを増やしていくほうがギターの上達は早いですから。
価格的にも初心者でも手が出しやすいラインナップです。
(けいおん!効果でコピーモデルが大量に出回ったことで飽和しているという現状もありますがw)
おすすめのモデルも以下で紹介していますのでよかったら参考にしてみてくださいね♪
初心者向けおすすめのムスタング
本家FenderのUSAモデルは初心者向けモデルといえどもやはりそれなりの値段はします。
一度生産終了しているという過去もありますので希少性もあるっちゃあるわけですし、初心者がぽんとお金を出すにはあまりに高額だと思います。
ネット上で最安のムスタングがこちらです。
ムスタングタイプ10点セット
ムスタングを使っているアーティスト
実際にムスタングを使っているアーティストの紹介です♪
グランジ/オルタナといった泥臭いジャンルから近年の萌え分化まで幅広いジャンルで活躍しているギターです。
知っている人も多いかと思いますが、特に有名な方をピックアップしてみました。
カート・コバーン
グランジというジャンルにおいて外せないバンド、NIRVANA(ニルヴァーナ)のギタリスト/ヴォーカリストのカート・コバーンはムスタングの愛用者として有名です。
泥臭いアンダーグラウンド感たっぷりの歪んだギターサウンドは後のバンドやギタリストに多大な影響を与えました。
使用しているのはレフティ(左利き)のムスタングです。
ファズを使っていたり空間系のエフェクターを使うことで広がりや厚みが生まれています。
中野梓(あずにゃん)
現代のムスタングを使っている最も有名なギタリストです()
あずにゃんについては別記事でも考察していますのでよかったら参照してみてください♪
あずにゃんモデルについて詳しくはこちら♪
ムスタングの音どうこうっていうかもうビジュアルとかその他諸々含めたいわゆる【萌え】要素によるところが大きい気がしますねぇ…
けしからんですな。ぺろぺろ。
まとめ
いかがだったでしょうか?
初心者でも女性でも弾きやすいという特徴のあるムスタングについてです。
スイッチも複雑に思えるかもしれませんが、慣れてくれば全く問題ないですし違和感無く使うことが出来ます。
本家はさすがにそこそこの値段がしますがけいおん!効果で安価なモデルも大量に発売されましたし、形から入るということであれば全然いいと思いますよ♪
おすすめのムスタング(ネットで最安)は初心者でも手が出しやすい価格帯なので気になってる人はそちらもおすすめです♪